(放課後、荒十朗のマンションにて)
つばさ:~~~♪~~~~♪
(ガチャッ……キィ…………バタン)
荒十朗:………なんだ…来てたのか、つばさ。
つばさ:あ、おかえりーコウ兄。ちょっと台所借りてるでー。
荒十朗:あぁ、ただいま…ところで、台所で何をしてるんだ?
つばさ:今な、晩ご飯作っとるんよー。今回はウチの自信作やで~♪
荒十朗:(一瞬硬直)………ちょっと味見いいか?
つばさ:あーーー!!ウチの料理の腕信用してないんやろ!?
荒十朗:いや、どこまで上達したか確かめようと思っただけだぞ?
(まぁ…少し不安なのは確かだが、これは言わないでおこう…)
つばさ:むー…ホントやろか…?まぁええわ、それじゃあ……これどーぞ。
(味噌汁をすくった小皿差し出し)
荒十朗:どれ…… (ズズ…………)
・
・・
・・・
つばさ:………どうやろか?
荒十朗:…うむ、十分及第点をやれるな。
つばさ:ホンマに!?やた~~~♪…でも及第点かー
コウ兄の採点厳しすぎるんとちゃうかー?
荒十朗:その方がお前の為になるからな。この調子で頑張れ。
つばさ:あーぃ、いつか満点取ったるからコウ兄、覚悟しときー?
荒十朗:ん、楽しみにしていよう。
……ところでつばさ、何故こっち(マンション)で料理を?
つばさ:そりゃーコウ兄の誕生日祝いに来たに決まっとるやないかー。
荒十朗:………あぁ、そういえば今日が俺の誕生日だったな。
つばさ:…やっぱり忘れとったんか。
コウ兄、他人に世話焼きすぎて自分疎かにしやすいんやもんなー。
荒十朗:む…返す言葉も無い…。
つばさ:ん、自分の事も大切にせなアカンでー?
…あ、もーちょいで支度できるからそっちで待っとってー。
荒十朗:俺も手伝 つばさ:ウチだけで十分や!
自分の誕生日くらいゆっくりしときー?
荒十朗:…分かった。
つばさ:おっし、それではもう一頑張りいってみよー!!
献立はコウ兄の好物が盛り沢山やで~♪
(てってってってっ………)
荒十朗:ふ……。
(少し前まで料理とは言えない物を作ってたつばさが
俺から及第点を取るまでに上達したか…)
つばさ:~~♪~~~~♪~~♪~~~~♪
荒十朗:(…どうやら今の俺は、自分の誕生日を迎えた事よりも
つばさが成長していくのを感じる方が嬉しいようだ……)
つばさ:には~♪上手に出来ましたーーーーーーーー!!
荒十朗:(時が経つというのは…こういう事なのかもしれないな。)
(チュン…チュン…チチチ……)
つばさ:
Zzz………
(すた…すた…すた…)
荒十朗:
つばさ、そろそろ起きる時間だぞ。
つばさ:
…ん~…(もそもそ)
荒十朗:
…まったく、手間を掛けさせるな。朝だぞつばさ。(布団剥ぎ取り)
つばさ:
…んー…ふぁ~~~………。
つばさ:
……おはよーコウ兄~。
荒十朗:
ん、おはよう…というかつばさ、それは俺のシャツだよな?
まだ寝間着代わりにしてたのか。
つばさ:
ん…ウチ育ち盛りやし、ぴったりの買っても
すぐ着れなくなってまうんやもん。
荒十朗:
そういえば以前買ったものは1年も着なかっただろうか…。
つばさ:
せやからコウ兄のお古のYシャツを
ユーコーカツヨーしよう思って。
(まぁ理由はそれだけと違うねんけどな…)
荒十朗:
ふむ、まぁ着れなくなったものだから俺は一向に構わないんだが。
つばさ:
へへ~(抱きつき)
荒十朗:
それにしても…人の事を言えた身ではないが
起きてすぐの髪は酷い事になってるな…(苦笑)
つばさ:
んにゃ?…(鏡覗き)あー…クセっ毛と寝癖のせいでぼっさぼさや…。
荒十朗:
とりあえず、朝ご飯はもうすぐ出来るから先に顔を洗ってきなさい。
つばさ:
ふぁ~い。あ、そうだコウ兄。後でいつもの三つ編みやってー。
荒十朗:
まぁこっちに来た時位はやってやるか。
ただし、いい加減覚えるんだぞ?
つばさ:
ゼンショしまーす♪(たったったっ………//洗面所へダッシュ)
荒十朗:
ふぅ…やれやれ。…いかん、そろそろ味噌汁が煮立ってしまう。
―――今日も獅堂家の慌ただしい1日が始まる。
つばさ:
コウ兄ー、昨日はリアイベお疲れさ~ん。
荒十朗:
ん、ありがとうつばさ。ちゃんと応援届いてたぞ。
つばさ:
えへへ~♪ ウチは戦わへんのやからあれくらいはしとかんと。
…それに、コウ兄が大ケガして戻って来るんは見とうないしな…(ボソ)
荒十朗:
何か言ったかつばさ?
つばさ:
べっつに~?…それにしても今回はいい勝ちっぷりやったねー。
荒十朗:
そうだな。こちら(銀誓館)側の被害も少ないようだし
作戦も順調に進んだようで何よりだ。
途中の数ターンしか出れなかったのが残念でならない…。
つばさ:
でもその数ターンはどこも激戦区ばかりだったやんか。
荒十朗:
ポジションがディフェンダーだからな。
皆の盾になるのが役目だからこれは仕方が無い事だ。
つばさ:
激戦区に自ら突っ込んでく無謀な兄貴を持って
ウチは気苦労が絶えへんなー。
荒十朗:
…そうか、すまないな。今度から気苦労の絶えない妹の為に
なるべく大怪我はしないで帰ってくる事にしよう。
つばさ:
…っ!さっきの聞こえてたんやないか、コウ兄っ!
荒十朗:
そこで聞き流せば誤魔化し通せたかもしれないが
そう言ってしまうと自ら何と言ったか白状したのと同じだぞ?
つばさ:
に゛ゃっ!!しもうたーーー!!
なんか今日のコウ兄はイジワルや~!
荒十朗:
まあ、出来るだけ大怪我はしないように心掛けるのは本当だ。
多少でも今の生活に支障が出るのは避けたいからな。…それに。
つばさ:
…それに?
荒十朗:
俺の可愛い妹を悲しませたくないからな。(微笑)
つばさ:
!!(赤顔)
荒十朗:
後は日常生活を送るのに難がある者が二人いるからな。
二人の面倒が見れないのは不安でしょうがない。
つばさ:
…(カチン)…。
――『起動(イグニッション)』――
つばさ:
…コウ兄の…。
荒十朗:
……つばさ?
――『妖気凝縮率150%。魔炎に変換終了。』――
荒十朗:
…っ!待てつばさ、何もそこまで……!
つばさ:
コウ兄の…ぶぁかあああぁぁぁーーーーーーー!!!
――『発動。紅蓮撃奥義』――
どごぉぉぉん………!!!
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・
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荒十朗:…。(再起不能)
つばさ:…コウ兄は一言多いんや……阿呆。